例えば、人前でスピーチを行なったり動画を撮影していると無意識のうちに
「えー」「あー」
と文頭や文尾に付けてしまう事ってあると思います。
話の合間合間に「えーあー」という言葉を挟みまくると聞き手としても
「話の本筋が頭に入ってこない」
といった弊害もあり、話し方講座などでは改善する事を勧められます。
しかも、無理に改善しようと意識して喋ると「えーあー」にばかり意識が行ってしまい、話すべき内容が飛んじゃったり、早口になったりして余計にダメな出来栄えに…
こういったものを総称して
「えーあー症候群」
「えー、あの症候群」
と呼ぶそうです。
これは心理学者が唱えたというよりかはビジネスや人前で話すシーンを扱う学問上で自然発生的に生まれた言葉ですね。
えーあー症候群の発生メカニズム
要は人前で話す事に対して、何かしらの抵抗がある場合に発生します。
それは、

話せって言っても、また意見が整理出来てないし

意見の整理は出来てるんだけど、こんな大勢の前で私みたいなのが話すなんて…
おこがましいと思われないだろうか?
といった、心理的作用が大きく関係します。
また、「えーあー」を話のつなぎとして無意識に使ってしまう、「えーあー」を我慢すると早口になってしまうという事は、「人前で話す=沈黙の時間はご法度」といった意識が関係し、要は、時間を持て余している・間がもてない訳なんです。
だから「えー、あー」で沈黙時間を削ろうとしたり早口で早々に話を切り上げようとするんですね。
静寂を恐れる気持ちって誰にでもあると思います。
例えば、

…という所を気をつけるといいですね。

そうですね、気にかけてみます

…………

…………

なんか喋って私を楽しませなさいよ

上役から話すのがスジだろう…
といった沈黙って嫌ですよね?
まあ、そこで無理して喋ったりする訳ですが、人と面戸向かった時に、沈黙や静寂という状態を不安に感じてしまうのです。
だから、逆に話しかけて欲しいと思うわけです。
これは、相手の事を知りたいという思考よりかは沈黙をどうにかしたいという心理の方が強く働いています。
さらに踏み込めば、相手に対して・自分に対して自信がないから不安に感じるんですね。
そうなると、文頭・文尾に「えーあー」と付けて、少しでも時間を稼ごうとする訳です。
逆に自信がある人ならば、多少の沈黙や静寂だって
「ちょっとした、話と話の間」
と捉える事ができます。
そもそも、フルタイム休まず話し続ける人なんかいない訳ですし沈黙があって当然なんですから、それを不安に思う必要がない訳ですし。
「えーあー」がアンカーになっている
ある種の話し方のクセに近いもので話題がない場合、

えー…
と口から発している時って概ね話す話題を頭の中で検索している状態ですよね?
これがクセ付いてしまって会話の途中で話題を変えようと他の話を出そうとする際、無意識に「えーあー」と発してしまいます。
会議なんかで

えー、今日は〇〇について皆に論じていただきたい。
と「えーあー症候群」の方が居ると思います。
これは別に話す事に自信がない訳でもない、話す内容も決まっているにも関わらず
「えーあー」
が出てくるのです。
この場合は自信の有無に関係なく「えーあー」が脳内検索のためのアンカーとなっている、
「記憶を呼び覚ます行為=えーあー」
というアンカリングがされている状態です。
脱えーあー症候群
プレゼンや発表の場で何かの拍子に沈黙して静寂がおこった場合
かなり焦ると思います。
そこからリカバリしようと無理くり頑張ると泥沼化…
あると思います(笑
俺はあるね。
よくある対処法などを紹介します。
ゆっくり話す
早口になってしまうと、頭の回転が追いつかずに余計な間が生まれます。
早口で頭の中に用意された文言を使い切って次に喋るべき言葉を急ピッチで模索しないといけません。
また、言葉をカミやすくなり、
「そういう手段は使えません」
と言いたいところを

そういう手段はちゅかえません
なんてなりますね。
場が真面目な雰囲気である程、会場から

ちゅかえないの…
…クスクス…
なんて笑いを堪える声が聞こえてきたら余計テンパってしまいます。
そうすると、それを埋めようとして、「えー」「あー」などの言葉がついつい出てしまいます。
プレゼンなどの場合だとこれじゃ時間配分や会場のリアクションを見る余裕すらなくなります。
人前で話すときなど、緊張がある場合には頭の回転がいつもよりも遅くなります。
PCだって、大きめの処理…
例えば動画編集なんかを行うと他の処理速度が遅くなるでしょう?
ゆっくりと余裕を持って話すだけで頭の処理速度をある程度維持したまま進める事が出来ます。
そもそも沈黙を恐れない
「沈黙=悪」といった印象があるから「えーあー」で埋めたり早口で早々に切り上げようとします。
むしろ、沈黙はメリットがあります。
もちろん、何十秒もダンマリを決め込むのは話になりませんが、2、3秒程度なら

ああ、この沈黙は聞き手が話を整理する時間ね
といった印象を与える事が出来ます。
そりゃ、聞き手だって聞いた話を一旦理解する時間が必要な場合だってあります。
また、あえて沈黙を作って聴衆の興味をこちらに向けさせる手法もありますね。
ヒトラーなんかも演説の前に、一旦静かになるのを待ってから話し出したりしますよね?
「えーあー」を意識しすぎない
「えーあーを言わないぞ」と変に意識しすぎた結果、余計に出てくるなんて事もあります。
脳は「否定」を理解できないからですね。

みんな、今から真っ赤なトマトを頭に思い浮かべないでください!
なんて言われたら、多くの場合、頭の中に真っ赤なトマトが浮かんできます。
これと同じで「えーあー言わないぞ」と意識する事で脳が余計に「えーあー」を出しやすくなります。
これを回避するためには、話すべき内容をしっかりとイメージした方が得策です。
事前にある程度話を考えておくのも良いですね。
そうすることによって、スムーズに話を出しやすくなります。
どうしても「えーあー」ってしまう場合
とはいっても、「えーあー」を出さないようにするためにはある程度の慣れが必要です。
応急処置として、「えーあー」を心の中で呟いてしまうという方法もあるようです。
そうする事によって、周りには「えーあー」が聞こえませんし聞き手も良い間を与えられる結果となります。
メンタルを強くすれば出ない
「えーあー」って結局何かといえば物事に対する自信のなさの表れとなります。
だからプレゼンやそういった場での使用を控えた方が有益であると考えられます。
根本的な解決方法として、メンタルを強くするというのも視野に入れておく必要があります。
だから裏でしか悪口言えないとか一対多で殺しにかかるみたいなものを良しとする事は控えるべきですね。
そう考えると、どんな相手に対しても、目を見て自身の意見をしっかり描けて、たとえ一人であっても「自分は自分である」と主張できる人はメンタルが弱いはずがありません。
それでも周りから
「メンタルが弱い」
と言われるのは、それはあなたがメンタルが弱いキャラであった方が都合がいいからに他ならない。
あなたは自分の足で歩けるしあなたは自分の頭で判断できる。
メンタルが弱いのではなく感受性が豊かでちょっと過敏なだけだ。
正直、私はあなたが強い人である事に気が付いたから何とかデッドエンドを避けるべく機会を欲した。
結果として殺されたけど。
他者を許せない様になると自分を許せなくなり結果として強かったはずのメンタルが弱いように映る。
だから自信ってのは「許し」から育まれるものであると考えます。
コメント