さて、獅子舞と言えば、獅子頭の動きや美しい油単(胴体の布)に注目されていて、中の人は目立っちゃいけないなんて話もあります。
しかし、獅子頭を振っていると「そこで舞われた獅子舞=頭を振っている人」といった印象が強く、見事な演舞の後には獅子舞の前側の人は賞讃されやすいです。
だからみんな、獅子舞の練習と言えば、頭を振ったり鳴り物に励んだりします。
目立ってカッコイイから。
でも、それだけじゃ獅子舞は成り立ちません。
そう、後ろ側の人、通称「後獅子」がいない事には始まりません!
地味言うな(怒
多くの場合、獅子舞を撮影するときは獅子頭を中心とした感じで撮影されます。
…というか、動物写真なんかもそうですよね。
画像の様に、獅子頭の下についてる前垂れと油単の間には隙間があって、獅子頭を振っている人は、ここからアピる事も出来ます。
一方後獅子は常に布をかぶった状態となります。
そして獅子頭には口や耳、目などを動かすギミックが搭載されていて、舞に合わせて操作することが要求されます。
また美しく獅子頭を振る事が仕事となります。
一方、後獅子は「しっぽ」を振るという操作のみ許されていて、基本両手をバンザイして油単を張るか、しゃがんで油単を張るかが仕事となります。
実はあまり知られていませんが、獅子舞の美しさを左右するのは後獅子の存在で、獅子舞の型がわかってないと美しく表現できない事から、最も玄人なポジションであったりもします。
プロフェッショナルのポジション
獅子頭の重量は、概ね3~5キロといわれます。
もちろん、木をくり抜いて作るタイプなどになれば、もっと重いですし、大獅子になれば一人で云々するものじゃ…
…まあ、大獅子は当然の話なので、この際無視して、その獅子頭に油単と呼ばれる胴体の布が取り付けられています。
獅子頭を振ると引っ張られる布の重量も付加されます。
だからこそ、後獅子の真価が問われるんですね。
ただ後ろで油単を万歳で持ち上げているだけなら、油単がピーンと張ってしまい、獅子頭の可動域を狭めてしまったり、獅子頭を振る人に余計な負荷を与えます。
逆にダルダルに弛んでいると、油単が獅子頭を振る人の顔に被さって、周囲の状況を確認できなるだけでなく、場合によっては呼吸すら困難になる場合があります。
あんまり顔に被せてると、キレられるレベル。
だからこそ獅子頭をどのように振るうか、どう動作するのかを確実に知っておく必要があります。
つまり、獅子舞をしらないと出来ないポジションなんですね。
獅子頭を映えさせるスクリーン
油単には武者絵や唐獅子牡丹など、美しい絵が描かれたものや、三つ巴などのシンプルなものもあります。
これは獅子の胴体を意味する他、獅子頭を映えさせるスクリーンとしての効果もあります。
頭を振る人の扱いやすさを最優先すれば、常に前の人にピッタリくっついて覆いかぶさる形にしていけば概ね解決できますが、そうすると、なんだかこじんまりとした曲がった感じの獅子舞を見物客に見せる事になります。
つまり、可能な限り高くデカく見せる必要があり、これは前述の獅子頭を扱いやすくする事と相反する条件を要求されます。
奥が深いでしょ?
人の呼吸や動作が読めないとダメ
獅子頭を振る人間は、その時の場などによって違う事があります。
また、同じ舞を舞っても、どうしても人のクセが多分に反映されます。
そうなると、獅子舞の動きをいくら知っていても、前後で動作がちぐはぐになったりします。
一挙手一投足に気を配って「獅子」という生き物を表現するからには、頭のクセに従うしかありません。
そのため、獅子頭を振る人のクセなどを把握して動く必要があります。
場合によっては、突然のイレギュラーな要求にも対応する必要がありますし。
ただ地味なだけじゃなく、かなりの状況判断を要求されるポジションでもあります。
だから私は後獅子に特化
そんな訳で、手根管症候群とか手周辺を痛める系の事故とかが多く、出来そうなポジションが後獅子くらいだったというだけで、本来はプロフェッショナルが務める後獅子にずっと特化していたのが私です。
まあ、これも
だからあなたも出来るんでしょ?
みたいなノリでスタート。
近所の人にしてみれば、
みたいな感じなのでしょうけど、本気で何も聞いてないっすよ…
たまたまあった一本のビデオですべてを研究するしか…
その甲斐あって、今では何とか後獅子のプロフェッショナルとなりました(笑
そういう経緯もあるので、獅子舞動画を常にYouTubeにアップしてます。
後の世代の人が動画からヒントをつかんでいただければいいかなって感じですね。
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