ボディメカニクスは偽力学

介護技術
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さて、介護関係の本を開くと
やたら

「ボディメカニクスやでぇ(ドヤァ」

というのが多いのですが、
内容はあきれるくらい「テコの原理至上主義」なのな。

 

正直な感想言って良いですかね?

 

さっと
力学なめんな

 

 

人間の運動機能である骨・関節・筋肉等の相互関係の総称、
あるいは力学的相互関係を活用した技術のことですよね?

 

メカニクス(力学・機械工学)と銘打ってあるにも関わらず、
力学的検証がまったくなされていないのな。

 

検証されてても、
広く世に浸透してない(させてない)のな。

 

本場米国では

10年以上前の米国看護協会のパンフですら

「ボディメカニクスを用いての利用者/患者介助について、
科学的根拠が無く身体的負担を軽減できない」

とかなり否定されています。

 

更にISO技術報告書TR12296

「人間工学ヘルスケア部門の人による徒手的介助」

の中で

「介助者を正しいボディメカニクスだけを使用するためにトレーニングをすることは、
研究によって身体に激しい負荷・負担を引き下げることは証明されませんでした」

と報告しています。

 

すなわち

先輩職員
ボディメカニクスを活用しないから腰痛になるんだ(ビシッ
さっと
ハァ?何前時代的な事言ってんの?
少しは勉強しなよ、マジありえないんだけど

と言ってる人の方が学習が進んでいる状況と言えます。

 

ちなみにボディメカニクスを活用して
仮に腰痛にならなかったとしても
別の所に負荷がかかります。

 

肩なり膝なり…

 

要は腰に集中していた荷重を
他の所が受け持つ形になります。

 

持ち上げに関わる作業を行う際に身体に強いられる力は、
最初に腰部に影響し、
身体の他の箇所、
特に肩や膝は重い負荷を繰り返す結果となり
危弱になり損傷を起こす可能性が高くなります。

 

背筋を伸ばして膝を曲げて荷物を持ち上げることを教わる際、
大抵バランスは考慮されていません。

 

ボディメカニクスの根本

ボディメカニクス技術の授業が
業務上損傷を予防する上で役立つと広く認知されてはいるが、
過去35年間の研究では介護提供者自身による努力では、
他の産業と同じように
介護業務におけるケガを予防しきれないことが証明されています。

 

ボディメカニクスについては物を持ったりする場合には
有効な手段と考えられますが、
利用者介助には有効な手段ではないようです。

 

そもそもボディメカニクスは
利用者を「力学的な物」と捉えて
それを効率よく動かすという概念なのです。

 

実際は利用者というものは物じゃありませんね?

 

だから現場で運用した際に無理が生じるのです。

 

 

コメント

  1. くどうまさひろ より:

    はじめまして
    気づいたら20年近く介護職を続けてるものです。
    ボディメカニクスって如何に効率良くモノを転がす能力じゃない?って常々思っていて、色々調べていたら、この記事たどり着きました。疑問に思う人はいくらでもいるだろうと思ってましたが、正しい技術前提の文献など肯定的な情報しか見つけられず、自分自身がボディメカニクスについて知らないだけなのかなと感じてしまっていました。ぴゅあからさんの記事を見てとてもスッキリできました。ありがとうございます。

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