時代劇ってそうじゃないんだ…

雑記
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「時代劇」と言えば多くは江戸時代を舞台に
勧善懲悪を描いた痛快なものが多いですね。

 

さて、時代劇と聞くと
何が思い出されますか?

 

さっと
「ぶらり信兵衛 道場破り」最近、「子連れ信兵衛」として続編が作られたし

時代劇ファン
いいよね、それも。
俺は「長崎犯科帳」がいいな。わいろを受け取る悪の奉行が実は真の悪を討つなんて…
あと指パッチン

あなた
もっとメジャーなのをお願いします

…じゃあ、水戸黄門。

これだけシリーズ化されてて
高松藩に来た際には松平公がヘコヘコする事で有名なものはありませんね?

さて、今日はそんな時代劇あるあるの中で

「実はそうじゃないんだ」

というものに着目していこうと思います。

 

実はそれほどでもなかった

時代劇あるあるといえば

「悪いのは越後屋」
「侍斬られ過ぎ」
「悪代官私腹肥やしすぎ」
「町娘のあーれー、回りすぎ」

ですね。

 

実は越後屋が悪として語られた話は少ない

あこぎな商売をして
悪代官に底が二重になったお菓子を献上する事で知られています。

 

そして一般的なイメージとして
その屋号は「越後屋」ですね。

 

悪代官も労をねぎらう意味で「お主も悪よのぅ」ですね。

 

しかし実際、どの時代劇を見ても
越後屋が悪のとして描かれた作品って意外に少ないんですよね。

 

じゃあ、何で越後屋なのか?
三越(元:越後屋)に怨みでもあるのか?

 

所説ありますが有力な所で
時代劇の悪役で知られた俳優
川合伸旺(かわいのぶお)さん、田口計(たぐちけい)さんが
カンロのど飴のCMで何気に放ったアドリブが採用され
広く浸透した説が濃厚ですね。

 

だから年配の時代劇ファンは
「越後屋=悪」という人が
以外と少なかったりします。

 

後は水戸黄門において
第一部から「越後のちりめん問屋の隠居」として
自分の身分などを隠す際に「越後」と名乗ることから

「隠れて何かをする=越後の…⇒越後屋」

となったとする説もあるようです。

 

侍はそれほど斬られていない

時代劇と言えば殺陣(たて)という
チャンバラシーンが楽しみの一つでもありますね。

 

江戸時代の武士の人口比で言ったら
時代劇並みに斬られたら世の中回らないという話があります。

 

ちょっと待て!

 

勧善懲悪ものだと
多くの場合は峰打ちで斬撃で命を取ろうとはしていません。

 

しかし実際には鋼製の刀身は
挫創や挫傷、骨折を負わせるには十分な重量や硬さを持っており
当たり所によっては死に至る事もありますけどね…

 

それでも、ザックリ斬るよりかは生存率は上がります。

 

だから斬られても鮮血が飛び散るシーンというのは
あまり見られないですね。

 

後で裁きを受けさせるためです。

 

後、ザックリ斬られるのは
悪徳商人などが雇った浪人者だったりする場合が多いので
斬られた所で公儀にそれほど影響がないという話もあります。

 

まあ、日本刀のような曲刀は
基本的に刃で切ることを前提にした造りとなっているんで
峰を向けた構えは重心がずれて戦いにくいとか
峰側で打つことに対して弱いとされているので
あの大人数を片付けるのは無理があるとかありますけどね。

 

悪代官は私腹を肥やすほど暇じゃない

江戸時代、悪代官はそれほどいなかったと言うのが真実です。
いたとしてもすぐに処罰されたり
そもそもの業務が多忙で悪事を働く余裕がなかったというのが
最近の見解です。

 

また、過酷な年貢の取り立ては
農民の逃散につながり
かえって年貢の収量が減少するため
あまり実用的ではありません。

 

そもそも、そんな事もわからないのが代官になれる事は稀ですね。

 

かなりの現実的な交渉力を要する職務ですし。

 

「あーれー」はそれほど回らない

正確には「回る」んですが
そのためには

  • 回る町娘も両手をあげて協力的でないといけない
  • あらかじめ結び目をほどいておかなければならない

といった条件が必要で
無理からに連れてこられた町娘が
協力的になって回る事は稀であると考えられます。

 

水戸黄門定番のアレ

水戸黄門といえば

「最初から印籠出せ」

「柳沢、悪事を働きすぎ
つうか柳沢って誰よ?」

というのが多いですね。

 

冒頭で印籠出せば問題が解決しなくなる

よく

水戸黄門あまり見ない人
最初から印籠を出せば被害も少なくて済むんじゃ…

という意見がありますが
最初に出したら悪行を繰り返す輩がなりを潜めて
御老公一行が通過をするのを待つという形になります。

 

敢えて、悪行を目撃・体験する事で
すべてを白日の下にさらして根絶を目指している訳です。

 

その方が大手を振って懲らしめる事が出来るんです。

 

あと初期の頃はそもそも印籠出してなかったし。

 

最初に印籠を出して身分を明らかにするのは
高松藩でこれから反旗を翻そうって連中を説得する際に

讃岐武士
つか、お前ら何よ?よそ者は黙ってろ

みたいな流れになった時に

格さん
実はこういう者でして…これに免じて力でゴリ押しするのはやめてね

といって提示するのな。

 

戦闘中に出すイメージが強いけど
最初は交渉の道具だったりした訳です。

 

柳沢吉保、水戸黄門を狙いすぎ

実は中納言である光圀よりも
老中筆頭である柳沢氏の方が偉いっちゃぁ偉い。

 

本来、将軍にはなれなかったかもしれない綱吉を
絶大な発言力で将軍に後押しした人物のひとりが光圀です。

 

そのため綱吉といえども
光圀の小言を我慢して聞いたりするのです。

 

史実では、この頃には綱吉と光圀の関係が悪くなり
綱吉は圧倒的に柳沢氏の味方となっていたという記録があります。

 

そのため柳沢氏は将軍の後ろ盾のもとで
幕府ナンバー2の権力者として光圀に対抗できるのです。

 

というより

綱吉
光圀のオッサン、うざいんだけど。
柳沢、なんとかしてくれよ。

といった所でしょうか?

 

実際は光圀が諸国を漫遊していた事実がないため
仮にそういう事を行ったと考えれば
目の上のたんこぶである光圀を闇に葬る
絶好のチャンスですしね。

 

作中では綱吉と光圀は非常に蜜月な感じで描かれていますが
まあ推挙してくれた光圀を邪険には出来ませんしね。

 

ちなみに、史実では綱吉から大老格と松平姓
天領甲府15万石が柳沢氏に与えられてます。

 

甲府に関しては作中で
光圀に敗北を認めて甲府へ帰るなんてシーンもありましたね。

 

さらに一時は柳沢氏の子を養子にして次期将軍に考えたほど寵愛されました。
そう考えると黒幕は柳沢氏ではなく綱吉であったとも言えますね。

 

 

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