ドラクエ4で培われる指揮官の采配

マインド
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時代はAIと言われています。
iPhoneのSiriやWindowsのコルタナとか、
身近な所にも浸透してきました。

 

しかし、かつてのファミコン少年たちは、
もっと早い段階からAIに慣れ親しんできました。

 

1986年にはザナックというシューティングゲームに
プレーヤーの腕前に合わせて難易度や展開を変化させるAIが搭載されてましたね。

 

元はMSX用にコンパイル(ぷよぷよを作った所)が作ったモノですね。

 

そして、「ファミコン」「AI」といって
外せないものと言えば、ドラゴンクエストⅣのAI戦闘システムでしょう。

 

ザラキ!!

ドラクエ4のAIといえば、
高確率でみんなこんな事を言います。

勇者さっと
クリフト、デスピサロにザラキとか使うな!

プレーヤーが指示した「作戦」に基づいて、
AIの考えで目的達成に向けて動いています。

 

勇者さっと
一発食らうのは折り込み済みだ、回復は2ターン後以降で十分だ!
まずは全員で叩いて、HPを削ってからだなぁ…

なんてことをプレイヤーは考えていたとしても、
ザラキやメダパニを唱えたり、
大したダメージを受けている訳でもない仲間にホイミつかったり…

 

そのため

勇者さっと
このAIマジつかえねー

となる訳です。

 

ドラクエⅢまで、末端の仲間にまで事細かに

勇者さっと
いいか、まずはキミが鉄の爪で先制する。
敵が怯んだスキにお前がスクルトで守備を固めて、一旦敵の攻撃を受ける。
そして、俺の自慢の剣で真っ二つだ!
…あ、遊び人はどうせ遊ぶでしょう?
気が向いたらで良いんで、一撃加えてくれ。

とやっていた層にはたいへん不人気!!

 

俺が指揮官

ドラクエシリーズでマンネリ化しつつあった
レベル上げ時の

「たたかう たたかう たたかう たたかう」

といった、Aボタン連打が煩わしいという話もあり、
よりスリリングかつ負担軽減の意味で搭載されたAI戦闘システムですが、
そのため不満が見られました。

 

そもそもRPGとは、
自身がそのキャラを演じる部分が醍醐味で、
ぶっちゃけ、勇者(主人公)さえ操作出来れば成立するものです。

 

だから、AIが不可解な行動をしても、
「こういう結果を受けて、どう行動する?」といった
状況を楽しむ事ができる、
言わば本来のRPGらしいものになりました。

 

現実社会と同じように、
指示をだして、その結果から次の動きを考える
指揮官としての能力が求められる様になった訳ですね。

 

現実的です。

 

まあ、指示できる内容が
あまりにもざっくりしすぎているという話もありますが…

 

AIが使えないんじゃない、お前が使いこなせないだけだ

能力も高く、優秀なクリフトさんですが、
戦闘中にザラキやメダパニといった問題行動を起こすという理由で、
馬車の中に押し込んでいる方も多いと思います。

 

現実社会でも、

ボス
あいつ使えねぇ

という、自分が出した指示を
自分が思い描いていた経路をたどらず達成しようとする人を非難する方も多いですね。

 

単にお前が指揮官として無能なだけじゃない(笑

 

本来は、個人の能力や傾向を考慮した上で
的確に指示を出す必要があるにも関わらず、
それをしないなんて、指揮官としての仕事が出来てません。

 

経路について思っただけで伝えてないのであれば
その指示を受けた人の能力や思考にゆだねられて当然じゃないですか。

 

それはドラクエ4にも通ずる話です。

 

クセのあるAIの指揮官としてやっていく為には
AIが考えていることを理解しなくちゃいけません。

 

頭ごなしに能無し呼ばわりするのではなく、
彼らの行動に注目して分析した上で傾向を把握しておかなけれがなりません。

 

部下管理能力ですね。

 

現実的にクリフトさんは優秀

さて、多くの指揮官に「無能」呼ばわりされているクリフトさんですが、
彼は本当に無能なのでしょうか?

 

仮にも城仕えの神官です。
無能なはずがありません。

 

さっと
デスピサロにザラキとかあり得ねー

というのは、
あくまで事前に情報を得ていた
モニターのこちら側にいるプレーヤーの話です。

 

冒険の途中で

村人
デスピサロにザラキはききません

なんて情報を得ていたのなら、
クリフトさんは非難されて仕方ありませんが、
情報の少ない初見の敵に対して、
「ここでザラキが通ったら、被害は少なくて済むし、長期戦は避けられる」
と判断している訳です。

 

城仕えであった身分を考えれば、
城塞における長期戦は
兵糧攻めなど不利と考える傾向があっても当然ですしね。

 

また、強大な力で迫ってくるデスピサロに対して
「ザラキはザキよりも成功確率は低い!何度かは通らない事は織り込み済みだ!」
と連発をする訳です。

 

「仲間の被害を最小限にとどめるためにはどうすれば良いのか?」
という部分に着目して行動していると言えます。

 

現実社会で、何か損害が発生した場合、
被害を最小限にとどめる行動をする事は当然ですよね?

 

城仕えであった事を考慮すれば、
その傾向が顕著であって然るべきといえます。

 

果たして、彼を理解して行動を汲んでいたプレーヤーが
どれだけ居ただろうか?

 

勇者さっと
あれもやれ!これをやれ!いや、それじゃない!

と心の中で命令していたけど、
そんな声はAIには聞こえないわけです。

 

思い通りに動かないもどかしさが、
AIを罵倒するという結果に繋がっていたのですが、
それは現実社会でも同じことでしょう?

 

他人なんてものは思い通りに動くはずがありません。

 

しかし、その人をよく見ること・知ること・気遣うことで、
他者との連携が深まります。

 

そして、その連携は、組織としてのチカラ、強さになります。

 

来るべきAI時代に向けて

我々はドラクエ4を通じて、

「AIは万能ではない」

事を学びました。

 

確かに、クリフトさんよりも優秀になったのかもしれません。

 

しかし、彼らは思いがけない行動をとる事を
重々承知の上で、AIとつきあっていく必要があるのではないでしょうか?

 

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