香川の獅子といえば
鉦・太鼓に合わせて獅子が舞っている訳じゃない。
もちろん、流儀や地域によっては
そういった流れもあるかもしれませんが
基本は獅子の動きに合わせて鳴り物が鳴っているんですね。
あ、平獅子(流儀)は比較的
音に合わせてるっぽい感じか?
私の地区の獅子は平獅子じゃないので知らないけど(適当)
うち牡丹崩し(流儀)だし。
正面が本殿で奉納の為に舞っている
本来、獅子舞は神に対して奉納のため行われる舞です。
そのため、本殿に対して
一番良いものを見せる必要があります。
一番いいもの、つまり本殿を正面として
獅子がそちらに向くという形をとります。
コンサートなんかでも
ミュージシャンは客の方を向いていますね。
そのため、舞う為のスペースや
参拝客の入りによって有効に使える面積が変わってきます。
仮に音に合わせて舞っていると
となったり
逆にえらく広い面積が取れる場合は
というわけで、大雑把に大きく行きます
なんて事になりかねません。
獅子舞の本質は
舞を奉納するわけですから
獅子舞が最も美しく見えるようにする必要があります。
そのため獅子の動きに音が合わせるといった基本があります。
そうすることによって
獅子の中の人は
与えられたスペースで最も美しく舞う事に専念できる訳です。
まあ、鐘や太鼓がどう聞いても
あるべきテンポよりも速かったり遅かったりしたら
それに合わせる努力が必要ですが…
さすがに音とズレてるのも
美しくありませんし。
結局は、音に合わせて舞っている訳でも
獅子に合わせて音が鳴っている訳でもない
というのが真実と言えますね。
双方の歩み寄りによって
良いものが出来る訳です。
一口に太鼓といっても色々ある
太鼓には主に2種類がありますね。
長胴太鼓と桶胴太鼓ですね。
桶胴太鼓
ちなみに上の画像の太鼓が
桶胴太鼓と呼ばれるタイプのものですね。
胴(太鼓の木の部分)が桶の様にタガが入ってたり
板を組み合わせて胴を形成しているタイプの物を
桶胴太鼓といいます。
両面に革が張られていて
締緒で皮の張りを調節する事ができます。
厳密には締太鼓のジャンルの一つとして
桶胴太鼓が含まれますが
地域によって「締太鼓」「桶胴太鼓」と呼び名が変わったりもしますが
同じものを意味していると考えればいいですね。
画像の様に地面に置いて使うタイプのものを
大締桶胴太鼓という場合もあるみたいです。
重厚で野太い音が魅力です。
長胴太鼓
別名「宮太鼓」とも呼ばれ
社寺祭事などでは必ず見ることができる
日本で一番ポピュラーな和太鼓ですね。
外見の特徴は胴の中央部がやや膨らんだ…
ウィスキーなどの樽型を想像していただければ解りやすいんじゃないかと。
胴の部分は欅など
重硬で木目が美しい丸太材を
自然乾燥させ内部をくり抜いて
その両面になめした牛皮を張って鋲と言われる金具で固定して作られています。
当然、締太鼓の様に後から皮の張りを調整する事はできません。
また材料が大変高価であったり
制作に時間がかかるため
たいへんお高くなっております(笑
最近は欅に以外の丸太材やFRPを使用したり
製造方法の技術進歩によって
かなり安価で購入することが可能となりました。
…まあ、個人で買うには少し高いけど。
あとFRP製の太鼓にご利益があるのか謎だけど。
皮の面の大きさは1尺〜2尺(1尺は約30cm)のものがよく用いられ
長胴太鼓を複数セットして打ち鳴らすのが
獅子舞では一般的ですね。
皮が破れた・たるんだ(これは製法上あまりない、はず)場合は
打ち込んであった鋲を外して
鋲で出来た胴の穴を削ったり埋めたりして
新たな皮を張り替えする必要があります。
ちなみに削る事によって胴が縮んだものを
ジャンル的には「宮太鼓」カテゴリに変わってくるそうですが
厳密に規定がないため境目は曖昧です。
見た感じ
明らかに短くならないと宮太鼓と呼ぶ人は少ないそうで…
ちなみに皮の面が3尺以上のものを
一般的に「大太鼓」と呼びます。
「長胴太鼓(宮太鼓)」「桶胴太鼓」「附締太鼓」の三種類を
狭義で「和太鼓」と一括りにできます。
これで君もドラムマニアだね(笑
どうかね~
獅子舞の鳴り物といえば
鉦を忘れてはなりません。
遠く離れた場所で獅子を遣っていても
この鉦の音は遠くまで響きますね。
ちなみに漢字では鐘ではなく
「鉦」
ですからね。
主に真鍮を主とした合金を用いて
鋳造にて作られています。
錫(すず)の配合によって音が大きく変わると言われています。
砂型から一つ一つ手作りされるため
同じ形大きさの鉦でも
微妙に音が変わってきます。
撞木と呼ばれる木槌のような棒で
鉦内側の正面や縁を叩いて音を出します。
俗にいう、摺鉦(すりがね)というジャンルの楽器となります。
全国的には
鉦吾(しょうご)当たり鉦(あたりがね)
チャンチキ、コンチキ、チャンギリ、四助
なんて呼ぶ地域もあります。
ちなみに獅子舞の音を表す言葉である
「コン」「チキ」
はそれぞれ
鉦の面を叩く事を「コン」
縁を叩く事を「チキ」
と呼びます。
ちなみに落としたりしてヒビ割れすると
全然響かなくなります。
試にロウ付け(金属溶接の一種)で
ヒビを埋めても響きません。
阿波踊りなどで使われている
40号~70号の様な小型の物の様に
手に持って使うのは
かなり難しいので
何かしらに吊るして使います。
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