失う不安に怯えたくないなら、すべてを捨てろ

マインド
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さて怒りや怯え・悲しみといった感情はなぜ起こるのでしょう?

 

それは失う恐怖からくる事があります。

 

家や車・服・趣味の品々
またそれらを手にするためのお金などの物質的なもの。

 

信用・信頼・仕事・地位・名誉など
目に見えない物。

 

友人・知人・恋人・家族など
人間関係。

 

知識・記憶・経験だって
場合によっては失う事があります。

 

いったん何かを手にすると
それが思い入れが強かったり
大事なものであればあるほど
失う恐れを生み出します。

 

プロスペクト理論

まず失う恐怖の前に
一つ心理学のお話をします。

 

あなた
うわ、また小難しいヤツだ…
さっと
「うわ」とか「また」言うな!
知ってた方が理解が早いから頑張って聞いてよ(涙

 

不確実性下における意思決定モデルの一つとして

プロスペクト理論

というものがあります。

 

期待効用仮説を心理学的な側面からアプローチして
有用性の高い理論として
1979年にダニエル・カーネマンとエイモス・トベルスキーによって展開されました。

 

あなた
この時点で言ってる意味が解らないんだけど…

 

そもそもは行動経済学において
選択の結果得られる利益または損害
それら確率が既知の状況下で
人がどのような選択をするか記述するモデルです。

 

さっと
簡単に言えば
おかれた状況によって損得勘定が変わるって話

 

よく株やFXなんかで負けたからといって
大きなお金を突っ込んで全額取り返そうとする奴なんかもこれですね。

 

得る喜びより失う痛みの方が強い

プロスペクト理論の元となった実験は
カーネマンが心理学者のウォルター・ミシェルが用いた方法を参考に

一つだけの質問による心理学

と呼ばれる手法で行われました。

 

 

カーネマン
選択肢A:100万円が無条件で手に入る
選択肢B:コインを投げ、表が出たら200万円が手に入るが、裏が出たら何も手に入らない

好きな方を選びなさい。

あなた
そりゃぁ、半々で何も得られないより無難に100万円ゲットした方が良いに決まってるよ

 

さっと
では質問を少し変えよう…
あなたは200万円の負債を抱えています。

選択肢A:100万円が無条件で手に入る
選択肢B:コインを投げ、表が出たら200万円が手に入るが、裏が出たら何も手に入らない

好きな方を選びなさい。

 

あなた
Aを選んで‐100万円でもまだ100万円負債が残ってるなら、半々で帳消しになる方を試してみてもいいかな?
損はしない訳だし…

 

最初の選択で多くの人が

「堅実的な選択肢A」

を選ぶだろうと推測できますね。

 

しかし最初の質問で

「選択肢A」

を選んだほぼすべての人が
次の質問ではギャンブル性の高い

「選択肢B」

を選ぶことが実証されています。

 

価値の大きさは金額に比例せず
金額が2倍になると
価値は1.6倍程度にしかならないという事です。

 

2倍の金額を半分の確率で得るよりも
1倍の金額を確実に得る方が利益になりますからね。

 

また負債額を2倍にしても
負債の価値(マイナス値)は
2倍にはならないのであれば
2倍の負債リスクを半分の確率で負う方が利益になると考えます。

 

概ねこういうグラフになります。

 

概ね200万円の利益には25の価値があり
200万円の負債には-60の価値…

 

つまり60の痛みを感じる訳です。

 

だから負債200万円の状態だと
半々の確立であるギャンブル性の高い選択をする傾向が
強くなると言えます。

 

得るから心配事が増える

さっと
長い説明よく聞いてくれた!
あなた
正直、わかってないけど…
「得る喜びより失う痛みの方が大きい」で概ねOK?
さっと
…じゃあ、それでいいです。

 

ものを持てば持つほど
それを失う痛みに常に怯えないといけません。

 

快適さを求めて得たはずなのに
不自由さが増して行く結果となります。

 

今と比べて持っているものが少い学生時代のほうが
そして何も持ってないがゆえに失うものがない子供時代のほうが
一番自由で楽しかったと感じる所以は
このあたりから来ることもありますね。

 

人は苦痛を避け
快を求める傾向にあります。

 

そのため色んな知識や道具を所有します。

 

しかし所有したがゆえに
それを守る必要が出てきます。

 

だから失う恐怖に怯え
感情的にならざるを得ない訳ですね。

 

快を得るための所有が
最大の苦痛であるとも言えます。

 

手塚治虫「ブッダ」

手塚治虫の漫画

「ブッダ」

の中にこんなエピソードがあります。

 

国一番の富豪スダッタが
ブッダの教えを広めることに尽力した際に
ジェータ王子の持つ荘園をブッダに寄進したいと申し出るも

「土地すべてに金貨を敷き詰めよ」

という条件が出されました。

 

全財産を並べても全く足りず一文無しの貧者となりました。

 

スダッタ
毎日が幸せだ!
なぜなら失うものが何も無いからだ!

こんな感じのセリフをしゃべってますね。

失う事の恐怖から逃れるためには
最初から何も持ってないか全てを失う必要があるのかも知れません。

 

皮肉な話ですが
守り続けたものが邪魔だったのかも知れません。

 

その後、スダッタは貧者となっても
生涯かけて金貨を敷き詰めようとする姿勢と
富豪時代よりも幸福そうな姿にジェータが心を打たれ
土地を譲り、祇園精舎が建立されました。

 

また彼は死んで兜卒天に生じたといわれていますね。

 

失う恐怖に怯えないには

失ったり奪われる可能性のあるものは
最初から自分のものではないと考えれば
失う事に対する恐怖も和らぎます。

 

あなた
だからと言って
全てを手放すのはちょっと…

全部を手放すとさすがに生活できなくなるので
考え方として

「今手にしているものは借り物」

といった意識を持っていれば
失った時に

「失ったのではなく返しただけだ」

となりますね。

 

それに強すぎる所有欲は良い事ではありませんしね。

 

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