さて、介護の現場ではなんだかんだ言って
デカくて体重が重い利用者の介助には
思いっきり力を発揮しないといけないと考えている人が多いです。
古武術介護とかキネステティクの動きを
こっそりと取り入れて
「ボディメカニクスすげぇだろ」
なんて言ってるものもありますね。
そもそも基礎が違うものを
いいとこどりしようとするから
破綻してるんですけどね。
よくある脇下に自分の頭を入れて移乗なんかを見て
そんな大きな人を軽々と!!
なんて言ってる方もいますが
君は今の今まで何をやってきたんだ!!
荷重移動とそれぞれの力が相殺されるポイントを見出すのが
荷あげの基本でしょうが…
それが出来てないと
腰など一部に荷重が集中して体を壊す
バランスが悪いのに無理して転倒リスクを高める…
そういう結果になります。
また相手が生体であるので
時間変化とともに
条件が変化していくため
タイミングを如何に計るかがキモとなってくるんですね。
例えば、1トンまでしか運べない
フォークリフトがあったとします。
これで1.5トンの荷物を運ぶにはどうしたらいいと思う?
…まあ、法定上リフトの許容容量以上を運ぶのは禁止されているけど
知識として知っておけば
フォークリフトに無駄な負荷を与えないで済むので
メンテナンス費用の圧縮が期待できます。
リフトの交換部品は
本気で高いんだぞ!
ボディメカニクスも
介助を受ける人を物と捉える前提条件があるため
この際、ひっくるめてみました。
まあ、そういったコツをひっくるめつつも
多少は力を入れないとモノ(物・者)は動きません。
誰が脳筋になれといった
介護業界どこの施設にも
やたら筋肉を鍛える事にはまっている人はいます。
いるよねー(笑
まあ、これは介護業界に限った話ではありませんけどね(笑
「モアパワー=筋群をデカくする」
という誰でも思いつくイメージですね。
介護におけるパフォーマンス向上や
怪我の予防のために
筋力トレーニングは欠かせない要素である事は
その仕事内容からも否定はできません。
筋トレによって筋肉の量を多くすると
今より運動パフォーマンスは上がっていきます。
そのためボディメカニクスでは
「大きな筋群を使いなさい=一番力が出るから」
と推奨されている訳です。
ただ筋肉を鍛えても
多くの人は実際の現場作業でうまく活かしきれていません。
本来なら100使えるものが
40しか使えてなかったり…
だからそういう人は
と筋トレにより励みます。
本当は120使えるのにね。
筋肉を強化する以前に
そもそもの「筋肉の性質」を理解しておく必要があります。
「脳筋」はとるものもとりあえず鍛えればいいと思ってる
例えば筋トレと切っても切れない分野として
スポーツの分野が挙げられます。
筋トレで体を力強く作っても
試合や練習でうまく発揮できない場面って多いですよね?
多くの場合
相殺されて発揮できてない様に見える
なんて考えるみたいですね。
実際、そうした原因は
「鍛えた筋肉をプレーにうまく組み合わせていないから」
と指摘する人も多いです。
じゃあ、何をどうすれば筋肉をプレーに組み合わせられるのさ(笑
筋トレの成果を活かせていない根本的な原因として
筋肉の性質を知っていないことも挙げられます。
さて、どの状態の筋肉が最も動作に使えるかご存知でしょうか?
この質問の答えとその理由を説明できないと
筋肉自身の基礎知識をわかっていないことになります。
つまり脳みそ筋肉
脳筋だ!
「休んでいる筋肉」だけが次の仕事をすることが出来る
最も動作に使える状態の筋肉は「休んでいる状態」です。
リラックスしているときや落ち着いているとき
筋肉は緩んでいます。
この状態が最も筋肉が動ける状態であり
関節を動かしたり固定したりという動作ができます。
筋トレをしたときの筋肉は太くなっているものの
硬くなっています。
関節を動かして体を動かすためには
筋肉を伸ばしたり縮ませたりする必要があります。
硬くなった状態から
急に伸びたり縮んだりできるでしょうか?
いま休んでいる筋肉だけが
次の動作に使える筋肉です。
つまり休んでいる筋肉の数が多い…
力を抜いているほど次の動作が取りやすくなります。
脱力した姿勢こそ筋肉を最も活用できることを理解しなければいけません。
ガタイの良い利用者を目前に力むからダメなのよ
例えばこの画像みたいな利用者が居たとすれば
多くの場合
しかもマッチョ…これは頑張らないと!!
と力を振り絞って挑もうとします。
重いのがわかっているからと
移乗等の前から力んだ状態では
それ以上の力を発揮する事はできません。
つまり、固くなってしまった筋肉は
いくら太さがあっても動作には使えないのです。
介助時の動作は無駄な力を入れず
リラックスした姿勢を取ることが大切です。
そうしないから
想定外の入力があった際に
体を痛めたり壊したりするんですよ。
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