さて、獅子舞といえば神社イメージですね。
まあ、神楽の一種ですから、それは当然と言えば当然です。
しかし、獅子舞が日本に伝来した頃は、むしろ仏教に関係したものだったりします。
奈良時代の大仏開眼供養でも上演された記録があります。
伎楽にルーツを持つ
伎楽(ぎがく)は、中国南部の仏教文化圏であった呉国に由来する楽舞。
そのルーツについては中国南部、西域、ギリシャ、インド、インドシナなど諸説あります。

伎楽って何?
見た事無いんだけど…
見た事あるって人が少ないのも当然!
東大寺の大仏開眼供養の時には、他の諸芸能とともに大規模に上演された伎楽ですが、平安時代を経て鎌倉時代になると次第に上演されなくなってきました。
仏教にも、流行り廃りがあるんですね。
伎楽は行道という一種のパレードと、滑稽味をおびた無言劇で構成され、飛鳥時代から奈良時代に寺院の法会でさかんに上演されました。
この無言劇の始まる前に行われたのが、パレードについてきた獅子による獅子舞なのです。
そして、無言劇に登場するのが、呉王、金剛、迦楼羅(かるら)、呉女、崑崙(くろん)、力士、波羅門(ばらもん)、大孤(たいこ)、酔胡(すいこ)となります。
…この辺は、日本書紀なんかを読んでくれれば…
ちなみに聖徳太子は伎楽を推奨し、『延喜式』によると法隆寺をはじめ、大安寺、東大寺、西大寺などに伎楽を上演する一団が常駐したり、結果として伎楽を通して獅子舞を全国へ広める基盤を整備しました。
影の功労者ですね。
さすがかつて一万円札の肖像をやってただけの事はあります。
獅子舞をやっていると特典がいっぱいだった
獅子舞…伎楽をやっていると、素晴らしい特典も受けられた様です。
大宝律令に定められた雅楽寮には伎楽師もおかれ、国家の保護がなされていました。
また、伎楽の教習者には課税免除の措置がとられるなど、官の保護もありました。
今風に言えば、宮内庁式部職でかつ納税免除といった感じですかね。
鵜飼の鵜匠も一部宮内庁保護で国家公務員待遇の人も居るし、獅子舞もお願いしたいところですね(笑
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